日本で飼育されているラッコの中で、最も高齢で最も長く飼育されているラッコの「エミ」が、3月20日22時30分頃、出血性腸炎のため永眠しました。
エミは、モコモコ、プック、コタロウといった、当時日本中にラッコブームを巻き起こした鳥羽水族館初入館のラッコたちと一緒に、1983年10月3日アラスカからやってきました。他のラッコたちはすでに他界しており、エミはラッコブームを作った最後の一頭でした。
入館時の年齢は4歳と推定されていてそれから19年ですので、エミは推定23歳でした。野生でのラッコの寿命は15年くらいだとされていることから、日米で飼育されているラッコはもちろんのこと野生も含めて、エミは世界で最高齢のラッコだったのかもしれません。
エミはとても落ち着きのあるラッコでした。少々のことには驚きませんし、どの飼育係とも仲良くやっていました。一方でたいへん几帳面なところもあり、歳をとってからでもラッコにとって大切なグルーミング(毛づくろい)は、とても念入りに上手にしていました。そのため、全身がすっかり白くおおわれた毛は、いつも銀色にツヤツヤと輝いていました。また、夜寝る場所はいつも決まっていて、朝も決まった時間に規則正しく目を覚まし、グルーミングをしていました。
エミの年齢は、ヒトに例えるならば100歳をはるかに超えるほどの高齢です。長生きの秘密は物事に動じないのと、自分なりの生活のリズムを毎日守っていることだったのではないかと飼育係は想像しています。
日本一の長寿ラッコとして、色白の美人ラッコとして、エミは日本中の人たちに愛されました。そして、ラッコという動物の素晴らしさ、老いても精一杯生きることの美しさを教えてくれました。エミの美しい銀色の毛は、いつまでも私たちの心の中で輝き続けることでしょう。エミの功績をたたえると共に、心から冥福を祈っています。

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